アフリカ小僧、隠居日録

定年後の日常を、隠居所で気ままに書いてるブログです

街や人の回想

分かち合って食べる

どんな国でも、独り占めする人間は嫌われるし、生きてゆけない。とりわけ、苛酷な乾燥地帯で生きてゆくためには、人は分かち合って食べることを教えられる。 砂漠の国、モーリタニアの友人が言っていた。 「見知らぬ旅人が宿を求めてきたら、寝るところと食…

ときが流れる、おしろが見える ランボー

フランスの詩人、ランボーの生まれ故郷シャルルヴィルを歩き回りながら、小僧は彼の生涯を振り返っていた。学校、教会をはじめ社会全体に反抗し、最後は少年時代から憧れていたはずの詩人や文学界にも愛想をつかし、アフリカに旅立った男、アルチュール・ラ…

アルチュール・ランボーの墓

フランスのシャルルヴィルという地方都市が、詩人、アルチュール・ランボーの生まれ故郷であり、墓もその町にある。マルセイユの病院で息を引き取った後、彼の母親と妹が取り仕切って、シャルルヴィルに墓をつくった。 詩を捨て、イエメンやエチオピアに渡っ…

クスクス、大皿で分け合う

クスクスは、美味い。特に、モロッコのクスクスは段違いに美味い。 今や、日本でもクスクスの名を聞いたことがある人や、食べたことのある人は多くなっているようだ。 北アフリカ諸国はもとより、フランス、イタリア、日本などでも、クスクスは食べられるの…

パンの王国、モロッコ

前号でモロッコサラダのそばに置かれたパンの写真をアップしたが、モロッコのパンは実に美味しい。大都市でも、田舎町でも、パン屋でも、レストランでも。 写真のタジン屋のパンも美味しかった。このパンは、ホブスと呼ばれる伝統的なモロッコパンである。 …

オリーブ、ニンジン、タジン鍋

モロッコに滞在していた週末の昼、小僧はタジン鍋を食べることが多かった。以前、このブログで、スーパーの二階にあったイートインコーナーでポールの朝食セットを食べていたと書いた。ポールの並びにモロッコ料理を手軽に提供する店があったので、昼によく…

フランス語夏季講座の思い出

前号で、1939年7月、8月と後の文芸評論家、中村光夫がツールの語学学校でフランス語の夏期講座を受けたと書いた。翌月の9月1日に第二次世界大戦が勃発するのであるから、のんきだと言えばそのとおりであるが、戦争直前の人々の暮らしというのは案外そんなも…

私のパリ

パリについて書かれた本は多い。小僧もいくつか読んできた。どれもいい本であった。なにしろ題材がパリ、間違いない。食材に金をかけた料理のようだ。 いまでこそ、「掃いて捨てるほど」あるパリ関連の本だが、1970年代にはまだまだ貴重なものであったのでは…

星の王子様の紙幣

かつて、フランスの紙幣に、星の王子様とアフリカの地図、作者サンテグジュペリの顔が印刷された50フラン札があった。 ユーロ紙幣の発行の後、回収されて今は使われていない。 親戚の年寄りが施設に入るというので、家の中を整理していたら、その50フラン紙…

山田吉彦著「モロッコ紀行」その2、初代カサブランカ領事、勝田直吉氏

今やモロッコには、四百人前後の邦人が滞在するようだが、山田吉彦がモロッコを旅した昭和13年(1938年)ころは果たしてどうだったのか? 「モロッコ紀行」には、現地で出会った数名の日本人のことが書かれている。そのひとりが、昭和12年(1937年)、外務省…

山田吉彦著、モロッコ紀行

小田光雄氏は、助六あこがれの読書家でかつ古書店専門家である。その小田氏が「古本夜話」というブログで、「山田吉彦とモロッコ」という文章を書いている。 「写真も収録されていると思われる日光書院の「モロッコ紀行」は長きにわたって留意しているけれど…