夕飯
お題「昨日食べたもの」 昨日食べたものは、まだ覚えている、と思う。脳が衰えてくると、食べたものを思い出せないと言うではないか。食べたものどころか、食べたかどうかもわからなくなってしまうと言うから、恐ろしい。 完全に覚えているかどうか不安はあ…
猛暑が続く日本列島だ。38度、39度とは、昭和の日本では考えられなかった気温だ。昭和の夏は、開け放った座敷で、水で冷やしたスイカにかぶりついたり、冷奴や味噌をつけたキウリで晩飯を食べれば、なんとか乗り越えられる暑さだった。 小僧が子どもだったこ…
揚げ物は一年中美味しいが、蒸し暑い梅雨時は特に美味しいと言ったら、異論が出るだろうか?そもそも、鬱陶しい梅雨空の下、胃も疲れて食欲もないのに、なぜ揚げ物?なぜ、トンカツを食べる? 小僧もさほど強靭な胃腸を持っているわけではない。その小僧が言…
日曜の夕飯は、メンチカツを食べた。肉屋の「柿安」がお惣菜として販売しているもので、値段も手ごろで美味かった。 「肉の柿安」と言われる店のメンチカツなので、しっかりお肉も入っていた。高齢者は、たんぱく質を摂らなくては筋肉がどんどん失われてしま…
カレーライスは、国民食だと思います。カレーを出されて、文句を言う人はいません。私の周りはそうでした。 国民食とは、世代や性別、経済力に関係なく、広く愛されているメニューだそうで、まさにカレーライスは日本の国民食です。昨夜、そのカレーライスを…
朝日文庫「わが家の夕めし」には、フランソワーズ・モレシャンさんの夕飯も収録されている。食卓には、シャンピニオンサラダ、トマトとシソの葉のサラダ、ラムチョップ、クレソン、イチゴとシャンパンが並んでいる。 昭和53年(1978年)、たとえ当時の日本が…
庄司薫と言っても昭和世代は知っているが、それ以降の人たちは知らないかも。学生運動が盛んだった1969年、「赤頭巾ちゃん気をつけて」という小説を出版し、芥川賞を受賞した人物である。 小僧も出版直後に読んで、世の中にはしゃれた小説を書く才能に満ち溢…
物集高量と書いて、「もずめ たかかず」、と読む。読める人は少ないだろうし、まして、物集高量がいかなる人物か、知っている人も少ないはずだ。 朝日文庫「わが家の夕めし」に、物集高量は登場している。昭和54年7月、板橋区の自宅で、出前の「ざるそば」を…
詩を書いて生計を維持してゆくのは、大変だと思う。日本の多くの詩人は、大学、新聞社、出版社などに勤務しながら、詩を書き、詩集を出版してきた。清岡卓行(きよおかたくゆき)という詩人は日本野球連盟に、黒田三郎という詩人はNHKに勤務した。 詩人、田…
もうすぐ、五月だ。昭和の夕飯を記録した朝日文庫「わが家の夕めし」のなかで、俳優、志村喬(たかし)が五月に食べる夕飯は実に美味そうだ。食材の季節感、食器や盛り付けの美しさ、主人の表情、どれをとっても申し分ない。 その日の献立はこうだ。タケノコ…