アフリカ小僧、隠居日録

定年後の日常を、隠居所で気ままに書いてるブログです

スタジオゼロ

 生まれ育った家の近くに、スタジオゼロがあった。当時は新宿区淀橋と呼ばれていたが、今の西新宿地区である。スタジオゼロと言っても知らない人が多いと思うが、スタジオゼロは売り出し中の漫画家たちの拠点だった。

 

 前号で淀橋浄水場の跡地に副都心が出来たと書いたが、その一部は新宿中央公園という公園になった。公園のはずれの交差点に面したところに、熊野神社前交番がある。交番から交差点を対角線上に渡ったところにビルがあり、そこに「スタジオゼロ」があった。

 

 

 小学生だった小僧がそのスタジオゼロを訪ねたのは、もう60年以上前になるだろうか?そこには漫画家たちがいた。今、ネットで調べると、石森章太郎、つのだじろう、藤子不二雄、赤塚不二夫などがいたようだ。

 

 小僧は友だちと漫画家のサインをもらいに行った。頼んでおけば、数日後に漫画が描かれた紙をいただける。サインが書かれていたかは覚えていないし、いただいた貴重な紙もどこかに消えてしまった。

 

 当時のビルは壊されて、今はもっと高いビルが建っている。もともと、この土地には、小僧の記憶が正しければ市川さんという歯科医の家があった。小僧も子どものころ、市川先生に歯の治療を受けたことがある。そこに先生が「市川ビル」を建てたのだと思う。

 

 一階に「シャトレ」と言う名の喫茶店があり、上階にスタジオゼロがあった。交差点に面したガラス窓に、大きく「スタジオゼロ」と書いてあった。

 

 界隈には斎藤庵と言う名の蕎麦屋、原田薬局、富城(ふき)屋というラーメン屋などがあった。赤塚不二夫の漫画の中に、確か「斎藤庵」が何気なく出ていたような記憶がある。

 

 スタジオゼロも無くなり、斎藤庵も無くなったと思う。富城屋は健在だ。七十過ぎて自由時間はたっぷりあるので、近いうちに富城屋にラーメンでも食べに行こう。ついでに、子ども時代の淀橋、いや西新宿の失われた風景の破片でも探してみよう。

にほんブログ村 シニア日記ブログへ
にほんブログ村

(上の二つのバナーをクリックしていただければ幸いです)