アフリカ小僧、隠居日録

定年後の日常を、隠居所で気ままに書いてるブログです

詩人、田村隆一の夕飯

 詩を書いて生計を維持してゆくのは、大変だと思う。日本の多くの詩人は、大学、新聞社、出版社などに勤務しながら、詩を書き、詩集を出版してきた。清岡卓行(きよおかたくゆき)という詩人は日本野球連盟に、黒田三郎という詩人はNHKに勤務した。

 

 詩人、田村隆一(たむらりゅういち)は数年間、早川書房に勤務したことがあるものの、75年の人生を文筆によって支えてきた、日本では数少ない「職業的」詩人だ。才能、実力、知名度、作品の数など、職業的詩人としては、斯界ナンバーワンの谷川俊太郎と並ぶのが、田村隆一だと思う。

 

 その田村隆一が、人生の後半で居を構えたのが鎌倉である。次に示す写真は、詩人が鎌倉の自宅で、和子夫人と夕飯を取っている時のものである。

 

 

この日の献立は、ローストチキン、冷奴、里芋の煮っころがし、大豆とコンブの煮込みなど。詩人が持つのはウイスキーの水割りのグラスか?詩人の背後にある日程を書き込む黒板がいい。(写真は朝日文庫「わが家の夕めし」から引用)

 食卓に並ぶ料理は、健康にいいものばかりだ。和子夫人が用意する食事のおかげもあるのだろう、詩人の血色もいいし、髪も服装もこぎれいで年を取ったら男はこうありたいと思わせる姿だ。

 

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