映画「スウィングガールズ」の竹中直人が好きだ。この映画は、ご存知、田舎の高校のビッグバンドの物語。高校生たちが、ジャズの魅力に目覚め、次第に立派な演奏ができるまで成長する。
竹中直人の役は、この高校の数学の先生。こざっぱりした戸建て住宅に、ジャズのLPレコードのコレクションを持ち、オーディオでジャズを聴く。このシーンを見た人は「高校の先生もいい職業だなー」と思うに違いない。もちろん、今の高校教師はこんな呑気な暮らしはできず、問題山積かもしれないが。
この竹中演じる教師が、高校生たちに「ジャズとは何か」を熱く語る。サックスを持ち、膨大なジャズのレコードを揃える竹中は、実は、音符も読めない、サックスも吹けない男なのだ。
この落差が、竹中直人らしくてすごくいい。
竹中は楽器店の音楽教室に通って、サックスを習っている。先生はクレージーキャッツの谷啓だ。子どもの受講者と一緒に習っているが、ヘタクソで子どもにもバカにされる。
記憶違いかもしれないが、子どもから「先生、この人、楽譜も読めない!」と言われるのだ。
小僧がピアノを習うため、楽器店の経営する音楽教室に通うことを考えたのは、映画「スウィングガールズ」のこのシーンが影響したと思う。そして、楽譜が読めないのにピアノが習えるだろうかと心配したのも、このシーンがトラウマになっていたのだと思う。
映画「スウィングガールズ」の竹中直人演じる教師の姿や、ジャズに目覚めてゆく高校生たちの姿は、小僧に音楽の素晴らしさを教えてくれた。
(上の二つのバナーをクリックしていただければ幸いです)