アフリカ小僧、隠居日録

定年後の日常を、隠居所で気ままに書いてるブログです

派遣添乗員ヘトヘト日記

 「住宅営業マンぺこぺこ日記」を読んだら、かつて読んだ「派遣添乗員ヘトヘト日記」を再読したくなった。自宅の本棚から引っ張り出して読み始めたら、止まらない。一気に完読である。

 

 発行は三五館シンシャ。中高年に人気のシリーズの一冊である。作者の梅村達さんは、1953年生まれ。大学卒業後、映画制作、塾講師、ライターなどを経て、50才で派遣添乗員となった人だ。梅村さんは、小僧より一才下だが同世代だ。我々の世代にはこうした経歴の方が結構いると思うし、親近感を抱く人も多いと思う。

 

 小僧もコロナの前までは、国内、海外で団体旅行によく参加した。その時、添乗員の方々に大変お世話になったが、間近で見て、大変な仕事だと感じていた。「派遣添乗員ヘトヘト日記」を読むと、その大変さは想像以上であった。

 

旗とショルダーバッグは、添乗員の命である。参加者も、添乗員の服装、顔を覚えていないと迷子になってしまいます。

 筆者の梅村さんは、本の題名にもある通り、「派遣」というステータスで添乗員業務を行っている。旅行会社には正社員の担当がいて、時に無責任な人もいるようだ。お客様の対応も大変だが、旅行会社の正社員対応も大変なようである。

 

 お客様と旅行会社と派遣会社の理不尽さに、ひたすら耐えながら派遣添乗員はヘトヘトになりながら欧州、中国、トルコ、それから日本各地を旅しているのだ。さらに観光バスの運転手、免税店、みやげ物屋、ホテル、旅館、レストラン、修学旅行の先生など、添乗員が気を遣う場面がリアルに描かれていて、興味深い。

 

 こうした海千山千の登場人物たちのなかで、心温まるグループも描かれている。奈良県の山奥から上京した男子3人、女子2人の小さな中学校の修学旅行の添乗だ。自由行動の際、都会の魔の手から中学生を守ろうと後ろから隠れてついてゆく筆者の優しさ、責任感に感動しました。

 

 この日記シリーズはどん底でうごめく人物たちをリアルに描きながらも、かならず心温まる作者の人間的な部分も書かれていて、感動する小僧である。

 

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