アフリカ小僧、隠居日録

定年後の日常を、隠居所で気ままに書いてるブログです

住宅営業マンぺこぺこ日記

 必死に生きる中高年の日記シリーズの一冊、「住宅営業マンぺこぺこ日記」を読んだ。これまで、「交通誘導員ヨレヨレ日記」「派遣添乗員ヘトヘト日記」など一連のシリーズを読んできたが、今回の本もよかった。出版社(三五館シンシャ)によれば、「職業と人生を読む、ドキュメント日記シリーズ」だそうだ。

 

いつもながら、表紙の絵がいい!

 作者の屋敷康蔵(やしき やすぞう)氏は、1970年生まれ。大手消費者金融の会社を経て、ローコスト住宅メーカーに転職、これまで120件の住宅建設に携わってきた。そうした人物が書いている本なので、住宅販売の営業マンの本音が理解できる。これから、家を建てようと考えている人には、参考になる本だ。

 

 タマゴホームという住宅メーカーの地方の営業所が舞台で、癖のある営業マンたちや様々な事情を抱えたお客様の様子が生き生きと描かれている。自分の出世のことしか考えていない口の悪い猫沢店長が、難病の子のために建設を急ぐ家族の工事を優先的に行うよう指示する場面には感動しました。

 

 この日記シリーズには、毎回、どうしようもない人たちが登場するが、そうした人たちが見せる意外に優しい、人間的な行動が、今回の本にも織り込まれている。だからこそ、この日記シリーズは「どん底」の職場を描いているのに完全に絶望することなく、読者は時に「元気」をいただけるのだ。

 

 この日記シリーズは売れているようだが、特にこの「住宅営業マンぺこぺこ日記」は人気があるようだ。地元の図書館で、小僧が予約した時には100人近い人が順番待ちの状態だった。

 

 数千万円という人生最大のお買い物、住宅販売をめぐる営業マンとお客様の関係をこの本は描いていて、貴重な本だ。それにしても、住宅展示場で「使えません」と書いてあるトイレで用を済ませて行く家族とその後始末をする営業マンが描かれたページの迫力は圧巻であった。

 

 

スポンサーリンク