モロッコのネコは堂々としている。野良ネコでも、ビクビク怯えて世の中の隅っこに引っ込んでない。なぜか?
モロッコでネコは優遇されている、と小僧は感じていた。「犬よりネコ」の社会だ。友人に言わせれば、イスラームでは犬は不浄の動物とされているとのことだが、真偽はわからない。
ネットで調べてみると、イスラームではすべての生き物を大切にするよう教えているとの説明もあったが、やはりモロッコでは「犬よりネコ」が大事にされていると思う。
モロッコでは、街中を歩いていると時おり野良犬に遭遇することもあったが、若干怖かった。いかにも腹をすかし、食い物を探しながらうろついている雰囲気が漂っていた。ネコとは大違いである。
日本の住宅街では、近年、ペットの犬を散歩させる老若男女を多く見かけるが、モロッコでは犬を散歩させている人をめったに見かけなかった。たまに見かけると、外国人で、おそらく本国から赴任の際、連れてきた犬だろう。
ネコは至る所にいたし、近所のネコたちに餌をあげる女性も見かけたことがある。このご婦人にしても、犬に餌をあげることはないのだろう。事程左様(ことほどさよう)に、モロッコのネコは生まれながらに恵まれており、のんびり、気高く、堂々とした人生ではなかった、ネコの生涯を送っているのであった。
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