アフリカ小僧、隠居日録

定年後の日常を、隠居所で気ままに書いてるブログです

アルガンオイル

 アルガンオイルを知っている人は、お肌や髪の健康に相当関心のある人だと思う。

 

 

 日本では、2016年、ユニクロがアルガンオイルを使った商品を発売し、大々的にPRした結果、多くの人にその名前を知られるようになったのではないでしょうか?当時のユニクロのプレスリリースには、次にように書かれている。

 

 「ヒートテックとウィメンズのエクストラウォームには、保湿効果と抗酸化作用で世界中から注目されているアルガンオイルを繊維に練りこむことにより、冬の乾燥した肌をやさしく包み込んでくれるような肌触りで、着心地がさらによくなりました」

 

 肌に保湿効果や抗酸化作用をもたらすアルガンオイルは、モロッコでは古くから知られ、使われてきた。小僧がモロッコに滞在していた時も、人々は洗顔の後や風呂あがりに、お肌や髪のケアに使っていた。ただし、その価格は年々高くなり、市場にはまがい物も出回るようになっていた。なぜか?

 

 フランスをはじめ多くの国の化粧品会社などが、アルガンオイルの調達に積極的になった結果である。需要があるなら、供給を増やせばいいと考えても、アルガンオイルの増産には簡単ではない事情がある。

 

 アルガンオイルはアルガンの木になる実から、抽出する。モロッコ南部の都市、アガディール近郊の丘や山の斜面にアルガンツリーは生えている。這うようにして、斜面に落ちた実を拾い、石で殻を砕き、石臼のような道具を使ってオイルを抽出する。こうした苦労の多い作業を地元の女性たちが担っていた。

 

アルガンの木になったアルガンの実。(Pixabayより引用)

 アルガンの木、アルガンツリーは、モロッコのこの地域でしか生息し、実をつけない。メキシコ、イスラエルなどで、アルガンツリーを育てようとしても、うまくいかなかった。地元の人は、「神様がアルガンの木をモロッコに与えてくれた!」と、言う。

 

 そして今や、欧州をはじめ、世界中の化粧品メーカーや商社が、アルガンオイルを求めてモロッコに来る。供給が追い付かないのだから、値は上がり、まがい物が横行するのも頷ける。モロッコ政府も、アルガンオイルの増産を地方開発や経済開発の重要な鍵と考え、増産に向けた植林などに取り組んでいる。しかし、結果が出るには、今しばらく時間がかかるだろう。

 

 こうしたなか、昨日、5月10日は、インターナショナル・アルガンツリー・デーだった。国連が定めたアルガン振興のための日だったのである。次号では、小僧も参加した、都内で開かれたアルガンオイルにかかわるイベントについて報告したい。

 

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