アフリカ小僧、隠居日録

定年後の日常を、隠居所で気ままに書いてるブログです

年末に、小津安二郎の名作『東京物語』を堪能する

お題「ゆっくり見たい映画」

 このお題、少し前にも出されたような気がするが、「出題スロットマシーン」から本日出てきたので、このお題で書くことにする。

 

 本日、12月29日と言えば、現役時代には年末年始のお休み第一日目だ。昨日は仕事納めをした現役世代の方々がテレビの街角インタビューに何人も出ていた。皆さん、一年のお勤めが終わって、ホッとしているようだった。

 

 小僧はと言えば、今や無職なので、仕事納めも年末年始のお休みも関係ない。それでも、世の中の動きが影響するのだろうか、この時期はゆっくり映画でも見たい気分になるから不思議だ。

 

 小津安二郎監督の「東京物語」を見た。NHKBSで放送してくれたので、録画した。いろんな人が名作と推す「東京物語」、実は過去に何度か見たが、よさがわからなかった。

 

 七十才を越えた今、自宅の居間でゆっくり見て、初めて感動した。尾道から東京の息子や娘に会いに来た老夫婦(笠智衆と東山千栄子)の気持ちがわかるようになったからだろう。

 

 子供たちは親孝行したい気持ちはあるのだろうが、自分の暮らしで手一杯だ。尾道から上京した親夫婦の面倒を十分見れない。そのもどかしさが老いた親と子供たちの間に存在する。

 

 今回じっくり見て理解できたが、老夫婦と言っても夫が七十才、妻が六十三才という設定だ。今の小僧より若い設定なのだ。戦争の経験とか、当時(1953年)の平均寿命だとかが、笠智衆と東山千栄子の老いを作っているのだろう。

 

 年末にいい映画を見せてもらった。世界的に小津ファンがいる理由がわかる名作だと感じた。小津ファンの映画監督、ヴィム・ヴェンダースが撮った「パーフェクトデイズ」(役所広司主演)が話題になっているので、年が明けたら映画館で見てみたい。

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