春場所が終わり、金峰山(きんぼうざん)が11勝4敗の好成績で、敢闘賞を受賞した。金峰山と言ってもまだ知らない人が多いかもしれない。
カザフスタン出身で、身長192センチ、体重174キロの堂々たる力士だ。春場所、10日目には小僧が贔屓(ひいき)にする元大関の高安(たかやす)に勝ち、勝った金峰山が土俵上で「勝ってしまった」というようにびっくりした表情を見せたのが印象的だった。それほど、すさまじい勢いで成長中の力士である。
カザフスタンはどこにあるのか?カザフスタンは中央アジアにある旧ソ連邦の国。ロシア、モンゴル、中国、キルギス、ウズベキスタン、トルクメニスタン、カスピ海に接する国である。と、説明されても難しいので、ぜひ地図を見て欲しい。国語はカザフ語、ロシア語も公用語として広く通じる。
宗教はイスラム教が70%、ロシア正教が26%。民族構成もカザフ系が70%、ロシア系が18%。国境も多数の国と接しているし、言語、宗教、民族も多様だ。
小僧は縁あって、2019年2月、カザフスタンを訪問した。マイナス35度の気温が続いていたので、防寒着、帽子、手袋を新宿の登山道具専門店で購入しての旅だった。首都アスタナの空港の外に出ると打ちのめされるような厳しい寒さだった。
カザフスタンは石油、天然ガスに恵まれた資源大国だ。一人当たりGDPも1万ドルを超えている。首都アスタナは、1997年にそれまでの首都アルマティから遷都(せんと)して建設された都市だ。この建設計画には、日本の黒川紀章氏が協力した。お金持ちの国らしい立派なモスクが新首都、アスタナにはありました。
金峰山を遠いカザフスタンから日本につないでくれたのは、カザフスタンの隣国、モンゴルにいる元横綱の朝青龍のようだ。この地域のネットワークや交流は、日本人では想像できないことが起きているし、今後も起きるのだろう。まだまだ、第2,第3の金峰山が、中央アジアや世界のどこかに眠っているのだ。
金峰山が所属する木瀬(きせ)部屋では、豚肉を食べられないイスラム教徒の金峰山に配慮して、ちゃんこに豚肉を入れる場合は金峰山用に別のちゃんこを用意していると、ネットに出ていた。
相撲界の国際化、おそるべし。立派だ。
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