大相撲春場所は、3月26日、モンゴル出身の霧馬山の優勝で幕を閉じた。NHKは、相撲放送が終わった直後、「ちきゅうごくなべ」という番組を放送した。
今回紹介された鍋料理は、小僧の第二の故郷である西アフリカのセネガルの鍋料理だ。チェレと呼ばれるアフリカの伝統的な雑穀「トウジンビエ」をベースに、魚、肉、野菜などを大胆に投げ込んでグズグズ煮込む鍋料理だ。
セネガル相撲の力士のご家庭に、NHKの取材班がお邪魔して映像を撮らせてもらったようだ。力士のおうちの鍋ということもあって、番組では「ちゃんこ」と呼ばれていた。
力士の四股名(しこな)はジェネラルと言い、映像からも好人物であることがうかがえた。成長著しい力士のようだが力士だけでは食えないので、自動車の塗装のアルバイトもしている。
小僧がセネガルに滞在していた時は、タイソンという四股名の力士が圧倒的な強さで人気を博していた。有名な力士となれば、日本の大相撲にも引けを取らない大きなお金が動く興行となる。浜辺やグランドで有料で客を集め、スポンサーもついて行われるが、周辺の道路が渋滞するほどの大きなイベントとなっていた。
セネガル相撲の力士は強い。ルールは膝や背中が地面に着いたら負けで、投げ技、タックル、パンチもOKだ。ぶつかる前にはお祈りや秘密の液体を体に付けたり、お守りを地面に埋めたりと、勝利のための儀式がある。まさに日本の相撲の立ち合い前の動きに似ている。
日本の相撲界は、モンゴル、ブルガリア、ジョージア、ロシア、米国、エジプト、カザフスタンなど、様々な国々から力士を受けて入れてきた。日本の相撲の親方は、なぜセネガルにリクルートに来ないのか?現地の日本人たちはいつも話題にしていた。
セネガル相撲の力士たちは裸で戦い、土俵で祈りを捧げる。強い力士の元に弟子たちが集まり、共同でトレーニングをし、同じ「ちゃんこ」を食べる。まさに相撲部屋である。セネガル人力士は力が強すぎて危険だからリクルートされないのだと言う日本人もいた。
3月26日、NHKで久しぶりにセネガル相撲の映像を見て、力士たちの鍛え抜かれた体,響き渡る太鼓の音、熱狂する観客の姿に、近い将来、セネガル人力士の来日を夢見る小僧であった。
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