アフリカ小僧、隠居日録

定年後の日常を、隠居所で気ままに書いてるブログです

夏の最強の一品、冷奴

 猛暑が続く。小僧はアフリカで暮らしたり、旅をしてきたが、今の首都圏の暑さはほぼアフリカの厳しい暑さの所と同じだ。すなわち、ニジェール、モーリタニア、ブルキナファソなどと言う国では、暑い時の気温は40度前後だが、関東の内陸部でも今や40度に達しようとしている。

 

 猛暑の中、我々短気高齢者の食欲が衰えたとき、支えてくれる夏の一品が冷奴だ。冷奴は料理以前、おかず以前のものかもしれないが、小僧の大好物だ。毎昼、毎晩、食事の時に冷奴を食べる。

 

 

 スーパーで買ってきた豆腐をよく冷やし、ネギなど薬味や鰹節をのせ、醤油を垂らして、ムシャ・・・う、美味い。冷奴はなぜ、こんなに美味いんだろう。白いご飯と一緒にいただけば、もうそれだけで十分だ。

 

ご飯と冷奴。小僧はスーパーで「薬味セット」なるものを買って、重宝している。ネギ、ミョウガ、生姜が細かく刻まれていて便利だ。

 冷奴はツルッと喉を通過し、お腹におさまる。もたれない。重くない。しかも、たんぱく質を豊富に含む。短気高齢者がイライラするのは、たんぱく質不足が原因ともいわれる昨今、冷奴は心の平安にもつながる貴重な一品だ。

 

 豆腐は、軽く、もたれないのに、栄養価が高い。煮ても、焼いても、炒めても美味い。肉とも、野菜とも、卵とも、相性がいい。豆腐は自己主張が強すぎず柔軟だ。しかも、柔らか過ぎてドロドロに崩れることもなく、四角い姿を清楚に保っている。

 

 こんな豆腐の本性に注目した精神科医、斎藤茂太(さいとうしげた)先生は、「豆腐のように生きなさい。人生が楽になりますよ」と、その著作「豆腐の如く」で書いている。

 

 歌人、斎藤茂吉を父とし、作家の北杜夫を弟とする斎藤茂太は、代々続く「精神病院」を引き継いだ。経営者としての苦労もあったろう。そうした人生の経験を踏まえ、彼が悩める現代人にアドバイスしたエッセンスが「豆腐の如く」生きろ、という訳だ。

 

 天下に職を得ていたころ、小僧も何度も読んで、救われました。そんなことを思い出しながら、今や天下に職を失い、晴れて隠居となった小僧は、夏の絶品、冷奴をいただくのです。

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