「貯蓄から投資へ」と、政府が呼びかけている。銀行、証券会社なども、その方針に沿ってなのか、様々なキャンペーンや広告をしている。
地元の図書館で「投資」や「株」関連の本を借りようと思っても、五十人待ち、百人待ちの状況だ。
かく言う小僧も、この波に乗り遅れまいと、慣れない投資の勉強を始めたところだ。この分野、イケイケどんどん風の本が多いが、珍しい本に出会った。地元の図書館の「経済、金融」と書かれた本棚にポツンと残っていた。
荻原博子著 「「コツコツ投資」が貯金を食いつぶす」と言う本だ。読んで、ビックリ。「貯蓄から投資へ」という今の風潮に逆行するような本でした。銀行や証券会社などが勧める金融商品の多くが危険な商品として、その理由とともに分かりやすく説明されていた。
時代の風潮にそぐわない内容なので、昔の本かと思えばそうではない。2021年発行の本だ。
亡くなった母親があの世から小僧に送ってくれたメッセージのような内容でした。
「世の中には、甘い話はないよ。銀行や証券会社が儲かるだけだよ。ろくすっぽ理解できない金融商品を買うより、借金を返しな。借金がないなら、貯金しておけ」
久しぶりに聞いた、用心深かった母の声。
そんな著者、荻原博子氏が、株については次のように書いているのが印象的でした。
「株式投資を始めるなら、好きな銘柄を選んで一本買い。経済や社会の動きにアンテナを張る練習になります。ただし、口座は分け、家計のお金を投資に回さないように」
数多の金融商品を厳しく分析する著者だが、株についてはやり方次第ではOKを出しているように感じました。世の中に迎合しない経済ジャーナリストの言葉だけに大変参考になりました。
いい本を
いい時期に読む
運の良さ (小僧)