アフリカ小僧、隠居日録

定年後の日常を、隠居所で気ままに書いてるブログです

投稿小僧の五十年

 投稿と言う言葉は、最近では余り聞かなくなったような気がする。小説や詩の雑誌で、一般人から原稿を募り、それに応募するのが投稿だ。

 

 小僧が若い頃は、小説や詩が投稿の主戦場だった。そのうち、漫画雑誌が原稿を募り始めた。時代の流れだろう。小説や詩から、漫画に人々の関心が移っていったのだろう。

 

 

 小僧は五十年間にわたる投稿の歴史を物語るスクラップ帳を今も大事に持っている。そこには小僧が関心を持ったり、実際に投稿した募集要項が貼り付けられている。

 

少年ジャンプの漫画原作の募集要項

 審査員は、梶原一騎氏をはじめとする錚々たる人たちだ。トップになれば、賞金五十万円とあるから、これもすごい。

 

 放送界もシナリオなどを募集していた。

 

テレビドラマ原作小説の募集。主催、日本放送出版協会。

 こちらの審査にも、亡くなった山田太一氏はじめ錚々たる方々が名前を連ねている。トップになれば、賞金五百万円というのだから、景気のいい時代だったのだろう。

 

 こうした募集に必死に原稿を用意し、清書した原稿用紙を封筒に詰め、宛先を何度も確認してから郵便ポストに投函したり、郵便局に持ち込んだりしていたのだ。

 

 一発当てれば、道が開ける。原稿用紙、封筒、切手、ポスト、郵便局といったアナログの時代だった。

 

 戦い済んで日が暮れて・・・おお、落選と失意の連なる我が投稿の歴史よ。今や、パソコン、スマホがあれば、だれでも簡単に発信できる時代になった。投稿の風景も大きく変わった。

 

 久しぶりに少年ジャンプや日本放送協会の原作募集の紙の要項を見て、懐かしい昭和の投稿の風景を思い出した小僧であった。そういえば、「氷点」と言う小説も、朝日新聞が募集した懸賞小説の入選作品であった。賞金、な、なんと一千万円。M1だね。

氷点

氷点

  • 若尾文子
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