アフリカ小僧、隠居日録

定年後の日常を、隠居所で気ままに書いてるブログです

古本屋になりたかった

 猛暑の夏に古本屋巡りはシンドイが、ようやく古本屋が恋しい季節になってきた。古本屋巡りは、やはり秋か冬が似合うと思う。

 

 小僧は、若い頃、古本屋になりたいと思ったことが何度もある。石油ストーブで温めた店で本を読みながら、店番をする。な、なんて、素敵な商売でしょう。

 

 

 少し世の中のことがわかるようになった小僧は、古本屋はそんないいことばかりの仕事ではないと理解した。仕入れもあるし、本を運ぶ筋力も必要だ。万引き対策や時にカスハラもあるだろう。同業者との付き合いも必要だ。

 

 本の雑誌社から出版された橋本倫史著「東京の古本屋」には、古本屋の主(あるじ)の自由で呑気な側面と厳しい側面が淡々と描かれている。著者は、数日間、古本屋で、朝の開店準備、店番、市場での本の買い入れ、閉店作業などを手伝いながら、古本屋の姿をレポートしている。

 

「東京の古本屋」表紙。
「古書誠実買入」の看板がいい。日が暮れた街に蛍光灯が古本を照らしています。コンビニの光とは一味違います。

 「東京の古本屋」では、下町の古本屋、中央線沿線の古本屋、神田神保町の北澤書店などの様子が、たくさんの写真とともにレポートされていて、楽しい本だった。古本屋の主やその家族も紹介されていて、著者の古本屋愛がよくわかる本でした。