アフリカ小僧、隠居日録

定年後の日常を、隠居所で気ままに書いてるブログです

丈夫な家電は元気な日本の象徴だった

 昨年、二十九年間使い続けたドアフォン(インターフォン)が壊れた。門に付けられたドアフォンは雨や雪に濡れても、四十度近い猛暑の中で陽にさらされても、二十九年間よく働いてくれた。

 

 今年になって、洗濯機、冷蔵庫と寿命が尽きた。いずれの家電も二十年、三十年、故障無しだったので、小僧は電気製品には恵まれた方だろう。

 

 

 1950年代後半、テレビ、洗濯機、冷蔵庫は三種の神器と言われた。小僧が子どもの時だ。白黒テレビが我が家に到着すると、近所の子供たちが来て一緒に観たし、我が家に無かった時は、月光仮面の時間になると隣の家に観に行っていた。

 

 ああ、懐かしき昭和の風景よ。

 

 来週、小僧のうちにも量販店で買った冷蔵庫が配達される。少し嬉しいが、近所の人が覗きに来るほどの感動は無い。日本は豊かになって、得たもの、失ったものがあるようだ。

 

 小津安二郎監督の「おはよう」(1959年)と言う映画にも、テレビを購入することがちょっとした出来事として描かれている。また、山口瞳の「江分利満氏の優雅な生活」(1963年)でも同様だ。戦争直後の貧しい生活から、抜け出していく象徴が家電製品だったのだろう。

 

 来週、小僧の家に配達される冷蔵庫は、きっと小僧が使う最後の冷蔵庫になるのだろう。ちなみにメーカー保証期間は一年だ。