近所のゴルフ場沿いに散歩していたら、ナナカマドの実を見つけた。強烈な赤色をした小さな実である。七竈、ななかまどとは奇妙な名前で、いわれについても諸説あるようだが、ここでは省く。
家に帰って、俳句歳時記の秋の項で調べれば、こんな風に説明されていた。
「七竈(ななかまど) バラ科の落葉高木で山地に自生し、庭木や街路樹としても植えられる。秋に鮮やかに紅葉する。実も真っ赤に色づく。」
「実も真っ赤に色づく」と書いてある通り、半端な赤ではない。
毒々しいと言っては言い過ぎだが、決して可憐な赤ではない。実際、微量ながら毒成分を含んでいるようだ。この毒は寒さで凍ると分解されるので、寒くなって初めて野鳥はこの実を食べるとのこと。誰が教えるわけでもないのに、野鳥もたいしたものだ。
「合本、俳句歳時記、第五版、角川書店編」の「七竈」のところには、六句挙げられている。そのうちの二句を引用すれば、次の通り。
七竈散るをこらへて真っ赤なり 林徹
雲にまで色を移せりななかまど 木内彰志
いずれの句も、ナナカマドの強烈な赤色に注目しているようだ。