モロッコ人の友人に会うため、久しぶりに市ヶ谷に出かけた。友人と別れた後、市ヶ谷から飯田橋まで、散歩した。
市ヶ谷から飯田橋に至る外堀通りは交通量が多い。この外堀通りから飯田橋に向かって左側の高台に向けて、何本かの坂道がある。これらの坂道は、外堀通りの騒音が嘘のように、静かで趣のある空間だ。
今回の散歩で最初に出会った坂が鰻坂(うなぎさか)。覚えやすい名前だ。
この鰻坂という名前は江戸時代に付けられたようだ。東京郊外の町と違って、市ヶ谷あたりの坂は江戸時代まで遡れるからすごい。
鰻坂の次に出会った坂は、「逢坂」(おうさか)。この坂は、市ヶ谷と言うより飯田橋駅に近いところにある。
逢坂は、小僧に馴染みのある坂だ。五十年以上前に、週三回登ったり下ったりした坂だ。ここにある東京日仏学院と言うフランス語の学校に通っていたのだ。
懐かしいねー!写真では、「逢坂」と書かれた案内柱の向こうに、白い建物が見える。これが、我が青春の「東京日仏学院」だ。
若い頃の自分が思い出されて、感極まる都心の散策であった。(次号、わが青春の「日仏学院」に続く)