先週、ピアノ教室で、シューベルトの「ます」を弾いた。ところどころで間違いそうになったが、なんとか最後まで弾いた。
結果、先生から、ハナマルをいただいた。二週間、必死に練習を続けた短気高齢者の小僧への温情を感じるハナマルであった。
「小僧さん、よく頑張りましたねー」
先生から労りの言葉をいただいた。人から褒められたのは久しぶりだ。なんとなく、嬉しい。
「では、新しい曲を弾いてみましょう。まず、私が弾きますから、聴いてください」
冒頭聴いたとたんに、わかった。
「蛍の光」
ピアノ教室の教科書、「YAMAHA大人のためのピアノ悠々塾」を開いてみれば、「スコットランド民謡」と書いてある。
小僧たちのような高齢者から若者まで、皆が知っている「蛍の光」は実はスコットランド民謡だったのだ。
蛍の光 窓の雪
ふみよむ月日 重ねつつ
いつしか年も すぎの戸を
あけてぞ今朝は 別れゆく
小学生のころに習った時の教室の情景まで思い出すような気がする。
ああ、昭和の小学生だった小僧はどこに行ってしまったのだろう?
ばーか、ここにいるよ。昭和の小学生は、令和の短気高齢者になって、ピアノ教室の生徒として「蛍の光」をお稽古してる。