親戚の高齢者が介護施設に入る。
体調を崩し、我が家で過ごしていたが、いい介護施設が見つかったので、入所することになった。
家人が、衣類や下着、靴などに名前を書いてあげた。60年前には家人が書いてもらって、幼稚園や小学校に通わせてもらった。
歴史は繰り返す。役割を変えながら。
高齢者施設に入るための準備をする家人に年寄りは、「ごめんね、何もできなくて」と、申し訳なさそうに言う。
小僧も家人もすでに高齢者。間もなく、小僧も家人も、年寄りと同じセリフを言うことになるのだろう。いやいや、こんなセリフを言うには、しっかりとした頭脳を維持していなくてはならない。小僧の頭脳がそこまで持つかどうか。
わが家で滋養のあるものをしっかり食べて、新しい施設で暮らしてゆくための体力を作ろうとしている年寄りの姿勢に頭が下がる。
「新しい施設で、お友だちが出来るか心配だ」
年寄りがこんなことを言うので、人は90才を過ぎても、こんなことを考えるのかとあらためて驚く小僧であった。
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