アフリカ小僧、隠居日録

定年後の日常を、隠居所で気ままに書いてるブログです

NHK「魂のピアニスト、逝くーフジコ・ヘミング その壮絶な人生ー」を見る

 本年4月に92才で逝去されたピアニストのフジコ・ヘミングの追悼番組をテレビで見た。正確には、録画しておいたものを本日見た。

 

 彼女はショパンを愛し、演奏会でもショパンをよく弾いた。彼女は六十才過ぎての大ブレークまで、壮絶な人生を歩んできた。

 

 

 日本人母とスウェーデン人の父を持ち、父親は日本に家族を残し、一人スウェーデンに帰ってしまう。

 

 ピアニストだった母親から厳しくピアノの指導を受けたフジコは、中耳炎をこじらせ右耳の聴力を失う。それでも、芸大を出てドイツ留学したが、日本の国籍もスウェーデンの国籍も戦後の混乱のなかで失った彼女は、難民としてドイツに渡った。

 

 その後もいくつもの苦難や不運が彼女を襲うが、六十才過ぎて発売したアルバム「奇跡のカンパネラ」が大ヒットし、日本や世界で92才まで大活躍した。まさに亡くなる数か月前まで現役だった。

 

 個性の強い人なので、好きになる人、苦手な人、それぞれだと思うが、NHKのドキュメンタリーに小僧は圧倒された。

 

 昨年11月、自宅の階段から落ちて入院。病院で不自由な体でピアノを弾くが、弾いた曲はショパンではなく、モーツァルトのピアノソナタだった。思うように弾けなかったのだろう、自分でピアノの蓋を閉め、これが彼女がピアノに触れた最後だったと言う。

 

 NHKのカメラマンの顔と名前を覚えているくらいだから、撮る方と撮られる方の間に信頼関係があったのだろう。そうでなければ、作れない貴重な映像作品だと感じた。三宅民夫さんのナレーションも素晴らしい。

奇蹟のカンパネラ

奇蹟のカンパネラ

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