九十才を越えて高齢者用の施設で暮らす親戚の年寄りが「肉が食べたい」と言うので、「木曽路」に連れて行った。
彼女の大好物が、木曽路のすき焼きなのだ。近所の木曽路は、コスパがいいせいか、常に混んでいる。予約もなかなか取れない。ようやく、ランチには少し遅いが、二時の予約が取れたので一同出かけた。
すき焼きは昭和のご馳走だ。漫画「サザエさん」でも、すき焼きはご馳走として登場する。少しでも肉を多く食べようと、カツオを中心に取り合いだ。小僧の家でも同じだった。
令和の時代、すき焼きは重い食事だ。糖分、塩分がたっぷり入り、味付けは濃い。これがすき焼きの魅力なのだが、正直、今の小僧には重すぎる。
ところが、昭和の象徴のような親戚の年寄りは、濃い味付けのすき焼きを生玉子に付けて美味そうに食べる。確かに、溶いた玉子に肉や長ネギを浸して食べるのは美味い。すき焼きは重いなどと考えていた小僧も、いざ目の前にすき焼きと生玉子が出てくれば、箸が止まらない。
年寄りは完食だ。小僧も完食。すき焼きと白いご飯のマッチングは最高だ。ご飯をお代わりした。
年を取ったら肉を食べないと生きてゆけない。九十過ぎの年寄りの気持ちの良い食べっぷりを見て理解した小僧である。
ご馳走様でした。
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